剣の極意

「剣の極意」(森博嗣の剣豪小説「The Mind Quencher」から・・・・・・)
 秋山 受日

 森博嗣の剣豪小説には強くなるための極意がいろいろな箇所に記されているが、それを以下の項目にまとめてみた。これらは、剣ばかりでなく卓球等のスポーツにも通じると思うので、ご紹介したい。例示(斜体)は私が勝手に思ったとことを書き加えただけである。一項目でも、あなたの卓球が強くなるための参考になれば幸いです。

1. 美しい型を真似よ。
 上達者の美しい型(フォーム)を自分の頭の中に入れる。その美しいイメージに沿ひて(真似をして)、剣(ラケット)を振る。風のやうに、花のやうに、美しく舞ふやうに。

2. 無欲になれ。
 勝利への欲を消して無になれ。己を消せ。
 勝とうとする欲がある限り、負くる。
 球は自ずから台に入ると信ぜよ。ボールを台の中に入れようとするな。その欲を消せ。台の中に入れようともがけば、美しいフォームを壊してしまう。美しい型で打っていれば、球は自ずから台に入ると信ぜよ。

3.力を抜け。
 筋肉に力が入っていては速い動きは出来ない。力を抜け。
 刀(ラケット)を持つ指から力を追ひ出せ。特に「人差し指と中指」は力を抜ひて添へるだけにせよ。手に刀はないと感ぜよ。風のやうに切れ。

4. 体幹は一本に。
 左右に傾ぐ(かしぐ)な。常に体には一本の線があると心得よ。視線がぶれないやうに。
 フォアドライブで球を上げようとして左に傾く。バック打ちで球に力を込めようとして右に傾く。これらの動きは球を打った後にある無駄な動きである。左右に傾いても意味がない。
 前に踏み込まないと敵を切れないが、踏み込んだらすぐに基本姿勢に戻って相手の剣に備へよ。戻らなければ、己が切られる。(ツッツキで前に出てもすぐに戻ること。戻らなければ深い球を取れない。)


 
5.敵の目で見よ。
  敵の心の中に入って、敵の目で己を倒す筋を見よ。
  試合では相手の心の中に入って己を見る。自分がどんな風に動いてゐるかがよく分かる。自分の動きを倒す筋が見えれば、それを防ぐ筋も自ずから見えてくる。決して自分だけの目で自分を見るな。(頭が真っ白になってしまって、相手がサウスポーだったかどうかさえ覚えていないこともある。相手をじっくりと見て、相手の考え(戦略)の中に自分を沈めてみよ。)

6. その他
・素振り千回
 幻の敵を相手として素振り千回を毎日行へ。
 素振りは、極めてゆっくりゆっくりと振ること。筋肉の動きをひとつひとつ確認しながらゆっくりと振ること。このやうにして出来る限りゆっくり振れば、その一回は十回にも当たると信ぜよ。

・間を取れ。
 敵よりも一瞬遅く切れ。相手の刀筋を見切ってから、切れ。
 強打する直前に、一瞬の間をおけ。球筋と相手が見える。相手が右に重心を移しつつあれば左に、左に移しつつあれば右に打て。バックで強打するときは、自分のラケットを一瞬、自分の胸にぶつけるくらい(肘を支点として)引き、その後に打て。その間(タメ)があれば、強打は倍の威力になる。

・場数を踏め。
 道場(木刀)で稽古していても上達には限度といふものがある。真剣で果し合ひをして初めて見えてくる刀筋がある。
 いつもの相手とラリーや練習試合をしていても限界がある。連盟等が主催する記録の残る大会に出ること。それが場数を踏むと言うことである。そこで知らない相手と対戦して、初めて自分の弱点を見つけ、相手から学ぶことも出来る。

・仏心を出すな。
 真剣で渡り合うている際には、仏心を出すな。切られて死んだ敵には仏心を。
 勝ってゐる試合でも、相手に仏心を出してはいけない。出した瞬間に相手に隙を見せることになり負ける。勝ちきるまで冷徹に。その後、試合に負けた相手には敬意を払へ。

以 上